静岡市、消防ヘリによる救助を高度3200m上限へ設定


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photo by Greenpeace Switzerland

ヘリ救助上限、3200メートルの山…静岡市

ヘリ救助上限、3200メートルの山…静岡市長 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
静岡市の田辺信宏市長は22日の定例記者会見で、市消防航空隊が2013年、富士山で滑落した登山者を救助中にヘリコプターから落下させ、この登山者が死亡した事故を受け、再発防止策として、市消防局がヘリで救助できる山の高さに3200メートルと上限を設けたことを明らかにした。

こちらについて、Togetterはてブでもちょっと話題になっていたので…
togetter.com
報道を読む限り、遺族らからの訴訟リスクに備えての救助高度上限の設定という訳ではないかと思われます。

あくまで記事の通り、救助中の事故が起きてしまったことへの再発防止策であり、実際に当時の救助はかなりの困難を極め、同様の高度での訓練もこれまで行われていなかったとのこと。
南アルプス3000m級での救助訓練を積んでいた隊員ですら、富士山9.5合目での活動では思い通りに体が動かなかったと語っており、この度の痛ましい事故を受けての教訓として、救助活動に上限が設定されたのは当然の措置と思われます。

遭難から救助事故に至るまでの経緯、遺族側の訴訟、静岡県消防飛行体のコメントなどは以下の記事でも読むことができます。
www.j-cast.com
個人的には自己責任が大前提の冬山登山において、救助側に非を求めるのは酷だと思いますが、記事を読む限りでは遺族に対する市側の対応次第ではここまでもつれ込まなかった可能性もあるように思われました。
また、いくら冬山経験が豊富で覚悟を持った登山家とはいえ、家族にまでその思いが共有されてるとは限らない訳で、今後は冬山登山における登山者の責任の所在を、登山前の段階でより明確にしていく必要があるのかもしれません。

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世界遺産登録を機に、富士山における遭難事故防止および自然環境を保全するため富士登山における安全確保のためのガイドライン(主に夏山期間以外における注意事項)が策定されました。主な内容は以下のとおりです。

◆万全な準備をしない登山者の夏山期間以外の登山「禁止」
◆夏山期間以外については、公益社団法人日本山岳協会等が推奨する「登山計画書」を必ず作成・提出すること
◆山中のトイレが使用できない夏山期間以外において、万全な準備をした登山者が登山を行う場合、携帯トイレを持参して、自らの排泄物を回収し、持ち帰ること