エベレスト登頂捏造によりインド人警察官夫婦に10年間の登山禁止処分(ネパール)


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久々のエベレスト関連記事のクリップがこんなネタで残念ではありますが…。

エベレスト登頂写真ねつ造のインド人夫婦、10年間の登山禁止処分に

【8月30日 AFP】ネパール当局は、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)登頂成功の証拠写真をねつ造したインド人の警察官夫婦に対し、10年間の登山禁止処分を科した。当局者が30日、明らかにした。
(中略)
夫婦が提出した写真を分析したところ、別のインド人登山家がエベレスト登頂に成功した際に撮影した写真に、夫婦の姿および掲げた旗を重ね合わせる加工を施していたことが判明した。

事件の経緯については同様にAFPニュースの過去の記事を辿っていくと分かりやすいです。まずは、7月4日のこのニュース。今年の5月23にエベレストに登頂したというインド人夫婦の主張に対して、複数の登山家により疑惑が指摘され、ネパールが調査に乗り出したというもの。ネパール観光庁は一度はインド人夫婦のエベレスト登頂を認定していたようです。

エベレスト登頂写真をねつ造? インドの警官夫婦を調査

【7月4日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)の登頂に成功したと主張するインドの警察官夫婦が、証拠写真をねつ造したとする疑惑について、ネパール当局が調査に乗り出した。当局者が4日、明らかにした。

さらにその数日後にはネパール当局が捏造の確認を発表。記事によると、別のインド人登山家が自分の写真が捏造に使われたと主張していたそうです。よりによって同じ国の人間からそんなことを…。

インド人警官夫婦のエベレスト登頂写真はねつ造 ネパール当局

【7月6日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest)登頂の認定を受けていたインドの警察官夫婦が証拠写真をねつ造したとする疑惑をめぐり、ネパール観光当局は6日、ねつ造が確認されたと述べた。

夫婦及び「登山を手伝ったシェルパ(山岳ガイド)2人の行方も分からなくなっている」ということで、なぜそんなすぐバレるような嘘を…。

エベレスト登頂を偽ることは違法ではないにしても、これによって「ネパール内の全ての山岳における10年間の登山禁止」という処分が下されてしまった訳で、捏造してまでエベレスト登頂の肩書きを欲しがった(?)夫婦の登山家としての未来はほぼ閉ざされてしまったも同然です(そのような人たちが、この期間にチベット側からの登頂を目指すとも思えませんし)。
登山には競技スポーツのような明確なルールや審判は存在しません。どれだけ商業化されたとしても最後は個人対自然というもの。自分と自然に嘘をついて手に入れた称号が何の意味も持たないのは、いやしくもヒマラヤを目指すような人間にとっては当然だと思われるだけに、なんとも残念な報道でした。

* *

ところでネパール内の登山禁止処分というと、小説「神々の山嶺」が思い出される訳ですが(ネタバレになるので詳細は原作に当たってください)、そういえば(個人的に大変残念だった)映画版「エヴェレスト 神々の山嶺」では、その辺の描写もうやむやになっていたのですよね… ホント何だったんだろうな、あの映画。

一方で1996年の大量遭難事故を描いた映画「エベレスト」は大変見応えがありました。Blu-rayは来月発売ですし、Amazonプライム・ビデオで視聴することもできます。

関連

つまらないエベレストニュースを取り上げてしまったので、最近目に付いた日本人のエベレスト、ヒマラヤ関連のニュースなど。今年の春には、タレントのなすび氏の登頂を始め、日本最年少での登頂を果たしたワセジョの方もニュースになりましたっけ。
栗城氏はまたしても秋季エベレストに挑戦するのですね(チベット側からなのでチョモランマかな)。