山でのカメラ携行に便利なバックパック用カメラホルスターを比較してみた


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以前は、登山中のカメラ携行はトップローダー式のカメラバッグを、ハーネスやザックへ取り付けることで体の正面に吊り下げるスタイルをメインにしていました。

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トップローダー式カメラバッグとカメラホルスターのメリット&デメリット

使用するカメラによっていくつかのバッグを使い分けていましたが、最近は「b-grip UNO」や「Capture PRO Camera Clip」といったカメラホルスターを使って、ザック(バックパック)のショルダーベルトにぶら下げることも多いです。カメラホルスター(バックパックホルスター/カメラクリップ)というのはこんな具合にカメラを携行する製品の総称です。

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どちらも一眼レフやファインダー付きミラーレス機などの大きなサイズのカメラを、歩きながらすぐに取り出して使える携行方法になります。それぞれの携行方法のメリット&デメリットについて、ざっと思いついたことを書き出してみます。




トップローダーバッグのメリット

  • カメラを確実に保護できる(レインカバー装備なら雨や埃対策も)
  • 体の正面にバッグがあるので重量バランスが良い
  • バッグのサイズ次第で大型一眼レフの携行にも対応
  • バッグ部分だけを外して、サブバッグとして使用可能
  • カメラ本体意外の小物を合わせて携行可能

トップローダーバッグのデメリット

  • 体の正面中央にバッグがあるので、岩場などで邪魔になることがある
  • 荷物全体の重量増
  • ザックを降ろす際(休憩時)などに一手間必要

カメラホルスターのメリット

  • 速写性に優れる
  • カメラ機材の重量増が最低限ですむ
  • 体の正面がスッキリとする

カメラホルスターのデメリット

  • カメラ本体がむき出しになるので、岩場での接触、雨天時に注意が必要
  • 片側の肩に重量が偏ることで違和感(比較的すぐ慣れる)
  • 休憩時、宿泊時のカメラの置き場所、保護の確保を用意する必要がある

…といった感じでしょうか。正直どちらの方が優れているというものでもありませんので、自分の登山スタイル、撮影スタイルなどに合った携行方法を選ぶのが良いでしょう。

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さて、カメラホルスターですが各社から様々なタイプのものが発売されています。中でも筆者が山でよく見かけるものが「b-grip」「COTTON CARRIER STRAP SHOT」「Peak Design キャプチャー」の3メーカーの製品。
筆者はb-gripのミラーレス用ホルダーであるb-grip UNOを2セット使っていて、それなりに満足していますが、一部不満も出てきたので、他の2メーカーと比較しつつ別機種の購入なども検討してみたいと思っています(その後、Capture PRO Camera Clipも使うようになりました)。

体への干渉がないのが魅力:b-gripトレッキングバリューセット&b-grip UNO

まずは筆者が使っているb-gripのホルダー。中型一眼レフ以上のサイズのカメラに対応した「b-grip EVO」にザックのストラップ固定用の「トラベルキット」と「ハンドストラップ」を同梱した「b-gripトレッキングバリューセット」。
そしてミラーレスカメラ、小型一眼レフに対応した軽量盤のb-grip UNOがあります。

b-grip b-grip UNO 小型軽量カメラホルスター

b-grip b-grip UNO 小型軽量カメラホルスター

他のホルスターとの違いとして、カメラ装着時にワンタッチでなく固定用のレバーを(カメラを持ってる手と反対の手で)動かしてあげる必要があります。カメラの装着中は非常に安定していますし、ザックへの取付も体側に大きなパーツが当たらないようになっているので薄着でザックを背負っても体への干渉はありません。

ちなみに、b-grip UNOは細い金属パーツで固定するのですが、ストラップの緩衝材の素材によってはこの締め付けによって、跡が付いてしまう場合もあります。

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またUNOのプレートはアルカスイス互換となっているのですが、プレート装着時はカメラの三脚穴が使えなくなってしまうので、ミニ三脚などを使いたい場合は、プレートを外す必要があります。b-grip EVOについては別売りのTripod Adapterを使うことで、三脚穴への取付が可能です。

ちなみにカメラへのプレート取付は指のみで締め付けるだけでは不十分なので、コイン等でしっかり締め込むことをオススメします。

製品紹介動画


片手のみの操作でカメラを付け外し!:COTTON CARRIER STRAP SHOT

コットンキャリアというメーカーの「ストラップショット」という製品。山でも一番見かけることの多いカメラホルスターが、このストラップショットかもしれません。

ショルダーストラップに巻き付けるタイプのホルダーが特徴。ザックへの固定はDリングやザック丈夫の持ち手などに、ベルトで固定する仕組み。ザックによってはこの固定が上手くできない場合もありそうですが、体への干渉は布のホルダーということもあり気にならなそうです。
ホルダーへのカメラの固定は、横向きに差し込んだカメラを縦にすればロックされるというもの。片手のみでワンタッチ装着できるだけでなく、取り外しも片手で行えるのが魅力でしす。
ハンドストラップやカメラ落下防止のストラップが付属しているのも本製品の特徴。さらに、カメラ側に取り付けるハブ(プレート)に三脚穴が空いているのも魅了的です。

製品紹介動画




充実システムが魅力:Peak Designキャプチャーカメラクリップ

カメラホルスターだけでなくストラップやアンカーリンクスといった製品をシステマチックに組み合わせることができるPeak Design製品。キャプチャーカメラクリップはアルミのプレートなど、デザイン面も非常に洗練された商品となっています。

ラインナップは「キャプチャー」と上位モデルの「キャプチャープロ」。両モデルともプレートがアルカスイス互換となっていて、「キャプチャープロ」はアダプター装着によりマンフロットの「RC2プレート」にも対応するようです(一部非対応のものがあり)。
「キャプチャープロ」はバックプレートに三脚穴が空いているので、キャプチャープロ自体をクイックリリースプレートとして使用することが可能です。

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ザック取付時にパックプレートが体に当たる(若干鎖骨のあたりに食い込む感じ)こともあるので、薄着になる季節はやや注意が必要です。また、基本パッケージのままだと中型ザック以上のショルダーハーネス取付にはネジの長さが足りないこともあるので、その場合は別売の「ロングクランピングボルト」を使用する必要があります。

追記:キャプチャーがリニューアルされ「キャプチャーV3」となりました。附属のプレート含めてより薄く、軽く、そして着脱もスムーズになっています。

製品紹介動画


カメラホルスター5製品、私的チェックポイント一覧

以上、3メーカー5製品の「カメラホルスター」を比べてみました。どれもそれぞれに長所のある製品ですが、個人的に重要視する「着脱が容易」「体に干渉しない」「アルカスイス互換」「プレート装着時の三脚穴」の全ての要素を標準で満たす製品というのもないようです(ある程度、対処可能なものもあるので、詳しくは下の「関連記事」にて解説していいます)。

製品 着脱手順 重量 アルカスイス互換 装着時の三脚ネジ対応
b-grip T.V.S. 着脱共にレバー操作アリ 372g × △(別売Tripod Adapterで対応)
b-grip UNO 着脱共にレバー操作アリ 130g ×
STRAP SHOT EV1 着脱共に片手で可能 不明 ×
CAPTURE 装着はワンアクション/外すのにボタン操作アリ 122g ×
CAPTURE PRO 装着はワンアクション/外すのにボタン操作アリ 140g